ISOで管理者養成

ISOで経営課題解決
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ISOを活用して管理者の能力向上は可能か?

ISOのシステムを活用して、管理者の能力向上を図ることができるでしょうか?

管理能力を向上させるためには、自分は何を管理するのかを明確にしてあげることです。すなわち、責任と権限を明確に与えることです。

しかし、現実は部下の失敗や目標達成度の低さを管理不足と言われ、怒られてばかりの管理者が何と多いことでしょうか。

よくよく考えれば、この管理者たちは管理する方法を教育されていないことが圧倒的に多いのです。そして課長という責任は持っていても、部長が実権を握っていて、責任に見合う権限を与えられていないことが多いのです。

責任に見合う権限を与えて初めて管理能力を問うことができるのではないでしょうか?ある面ISOは究極の責任・権限委譲システムでもあるです。

ISOで管理職のマネジメント力アップ

ISOがマネジメントシステムである以上は管理職のマネジメント力が問われることは必至です。ISOの8原則の第2に「リーダーシップ」がありますが、ISOリーダーは組織の目的と方向をひとつにまとめ上げる。そして全社員がこの目的を達成することに十分に参画できる内部環境を創り出し、維持すべきである。」とされています。具体的には、まず、組織の将来に関する明確なビジョンを確立し、伝達すること。

次にこのビジョンを測定可能な目標に転換すること。そしてこの目標が達成されるように教育訓練し、指導することです。

組織のリーダーとしては当たり前といえば当たり前の役割ですが、この当たり前のことがシステマチックに循環されていることはほとんどないのが実情ではないでしょうか。

ISOで責任と権限を理解する

ISOの規格要求事項にある「責任及び権限」にはこう書かれています。「トップマネジメントは、責任及び権限が定められ、組織全体に周知されていることを確実にすること。」

つまり、一般的に非常に不明瞭である各役職者の「責任・権限」を明確にしなければならないのです。しかも決定するのは「トップマネジメント」すなわち経営者(陣)であるため、管理者としての資格をより明確にすることが可能になるのです。

管理者に対して、自分に与えられた「責任・権限」をしっかりと理解させ、これを最大限に利用させて、会社のために自分ができることは何かを考えさせる仕組みがマネジメントシステムとしてのISOなのです。

「良い上司」ですか?

中小企業の多くの管理者が「プレイングマネージャー」です。営業マンであれば、自身の売上目標、利益目標があり、更に部下の目標に対しても責任を負うということになります。

さらに、部下があらゆる面で成長するように育成していかなくてはならない責務も負います。

では、管理者の仕事とはどちらが優先されるべきでしょうか?

それは、「部下の育成」です。管理者の方々に「あなたの仕事は」と問うと、「部下の行動管理」「予算管理」「部下の補助」という答えが返ってきます。

しかしながら、本来の管理者の仕事とは「部下の育成」なのです。管理者は会社の様々な業務を理解しています。会社の中で、部下に「良い上司」と思われている人ほど、部下が育たないのです。

「良い上司」は、部下が行うには難しそうなことや、時間が掛かりそうなことを引き受け、自分が処理してしまうので、部下の能力が育たないということなのです。

「嫌がられる上司」ですか?

自分の仕事までも部下に「これ、やっといてくれ」と頼む上司がいます。部下はいやいやながら、上司の命令なので仕方ありません。

もちろん、部下の仕事を助けてくれることもありません。唯一、やり方を教えてくれたりするくらいです。実は、この上司こそ、部下の育成ができる上司なのです。

皆さん経験があると思いますが、人に教えることほど難しいことはなく、人にやってもらうほど時間が掛かることはないのです。

「早く」「正確に」やろうと思えば「自分でやるに限る」です。ところが、なんでも自分でやってしまうと、部下はいつまでたっても新しい仕事ができず、能力が向上しないということになります。人に教えることは難しい。難しいからこそ管理者には価値があるのです。

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