ISOブームが会社をつぶす

ISO本音と建て前
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ISOブームが諸悪の根源

ISOシステムの導入動機はとても重要です!その動機次第で、ISOシステムは良くも悪くも大きな差が出てしまいます。ISO取得動機を誤るとそこには悲劇が待っています。

ブームは人を盲目にします。「みんながISOを取得するから、ウチもISOを取得する」というのでは、何の価値も無い、ある意味危険な、ISO導入だけが目的の導入、ISO認証取得だけが目的のの認証取得となってしまいます。

中でも最も危険なのは、本来のISO取得目的を失った、ISO認証取得自体を目的としたISO導入です。

ISO認証取得自体が目的ですから、他の要素はどうでもいいということになりかねないからです。この激動、そして厳しい時代に、そんなISO導入は会社の命運を左右しかねません。

ISOブームの弊害は膨大な文書量

ISOブームに乗って導入を急いだ結果はどうなるでしょう?「ISOコンサルタントや指導員から言われたことは、何でも取り入れた。そうすればISO審査は合格するはずだ。」と考えたんです。

要不要にかかわらず、何でも取り込めば書類が膨大になるのは当たり前です。ISOブームに乗って取得してしまった大手建設各社の現在のテーマは共通して「スリム化」です。

膨大になってしまったISOのマニュアルを業務が進めやすいスタイルにするために、スリムでシンプルにしていくことが当面の課題になってしまっています。

ISO認証取得後の悲劇

膨大なISO文書。それが原因で、本末転倒の事態がそこら中で起きているのです。ISO審査直前になって関連文書や記録を徹夜で作り込むなどということもよくみられます。

実務は実態に合わせて、書類はISOマニュアルに合わせてと、本音と建前を使い分けてISO審査を受ける、という不思議な現象です。

こんなことをいつまでもやってられないとISOマニュアルを実務に合わせて作り直すことがスリム化です。とは言うものの、一度作ったISOマニュアルを大幅に作り直すのは容易な作業ではありません。最初から実務に合わせておけば良かったと、ISOとはそういうものだと気が付いたのは認証取得した後なのです。これはもう悲劇です。

ISOが会社をつぶす

こんな悲劇的な事例はいくらでもあります。

「ISO取得途中で挫折した」
「ISO導入で無駄な作業が増えた」
「ISOで仕事がやりにくくなった」
などなど。

せっかく費用をかけてISOを導入してもこれでは会社を潰してしまうことになりかねません。

その原因はいくつか考えられますが、総じて言えることは「何のためにISOを取得するのか」という目的が組織に浸透せず、ある限られた数名のリーダーの手によって、他社のISOマニュアルを参考にしながら手間をかけずに創ってしまったことによることが多いのではないでしょうか。

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