ISOでの「プロセス」と「コミュニケーション」

ISO規格を読み替える魔法
この記事は約3分で読めます。

ISO的「プロセス」

難解なISO規格を、どういう風に読み替えていけばよいのでしょうか。ISO規格の表現に沿って解説していきます。

「プロセス」とは、仕事はいくつかの項目や要素から成り立っており、その一つ一つを「プロセス」と考えます。ただし、細かくすればいくらでも細かくなるので、ISO規格で求めているプロセスとは、ISO規格の見出し程度でよいのです。

つまりプロセスの順序及び相互関係の明確化とは規格の各見出しをつなぎ合わせてPDCAサイクルに当てはめることがベターです。これを「品質保証体系図」と呼び、必須事項です。

ただし、規格の順番がはじめの方だから最初に作るのではなく、ISOマニュアルが出来てから、責任・権限や仕事の流れを確認後(つまり最後の方)に作成しないと、何度でもやり直すことになります。

ISO的「フィードバック」

ISO規格に「フィードバック」という言葉があります。これまでは、顧客の「苦情」と表現されており、1994年版までは製造業を中心とした規格の構成になっていたため、顧客から聴く声は「苦情」が多かったのです。

たまに、「良かったよ」とか御礼や喜びの声をかけてもらうことはあっても、それが製品に繋がることは少ないという解釈も出来ました。

だから、顧客満足といいながら、そのためにすべき事は品質保証、つまり同じ製品を作り続けることでした。製品がよくなるわけではなく、顧客満足が高まるわけでもなかったのです。

「フィードバック」とは、「お客様がこういう風に喜んでくれた」「お客様が私にこう言った」「お客様からクレームがあった」など、どんなことでも伝えなければなりません。お客様は会社の財産です。お客様があってこそ会社がある。

そのお客様の声を聴き会社に伝えることが「フィードバック」でり、顧客が喜んでくれれば、もっと良い物を作ろうと頑張ることも出来ます。だから、品質までも向上するのです。

苦情やクレームを自分だけで処理しようとして大きくしてしまうことがあります。でも、自分の行為がお客様に喜んでもらったことは、すぐに報告します。自分の評価につながると懸念しているのでしょうが、「フィードバック」することこそ、自分がすべき事です。

上司に報告しないから同じ失敗を繰り返す。報告したから、一度した過ちは二度と繰り返さないように、自分自身が努力するのではないのでしょうか。どんなことでも「フィードバック」することは、自分自身の成長を助けることにも繋がると思います。

ISO的「コミュニケーション」

ISOでの「コミュニケーション」とは?普段からよく使われている言葉ですが、ISO9001規格では5.5.3 内部コミュニケーションであり、ISO14001規格では4.4.3コミュニケーションです。

どちらも言葉どおり、ISOシステムに関係する人間とのコミュニケーションをとりましょうということ。ISO14001では外部とのコミュニケーションも含みますが、ISO9001では内部コミュニケーションとあります。わざわざISO規格に制定されているのですから当然意味があります。

中小企業では「会議」がない企業もあります。また、打ち合わせといっても社内の営業や数字に関するものだけ。本来企業に必要とされる経営計画の進捗チェックなどはなかなか推進できていません(というか、経営計画自体ない会社も少なくない)。

ISOで必要としているコミュニケーションとは、ISOシステムの良い点、悪い点を評価・分析する手法を構築し、もちろん報告もされなければならないということです。

簡単に言えば、既存の会議にISOシステムの報告会的要素を加えたり、ISOシステムの変更や通達事項等は回覧したりと、社内に「伝達」される事が重要なのです。以前、教育・訓練の一部として「回覧」が有効というお話しをしましたが、これは「内部コミュニケーション」です。会議体をわかりやすくすることもシステム構築の一つです。

タイトルとURLをコピーしました