ISOの3つのキーワードと目標の決め方

ISO本音と建て前
この記事は約4分で読めます。

ISOは「急ぐ(ISOぐ)」こと

ISO取得に際して、気になるの項目の一つが「ISO取得に掛かる時間」でしょう。 ISO取得期間は、早くて6カ月、遅いと2年程かけて取得するケースもあります。まあ、1年と考えるのが標準でしょう。

しかし、仮にISO取得に1年間かけて取り組み、取得できたとしても、その期間に要した労力を時間で換算してみると、膨大な時間を費やしているものです。出来れば効率よく進めたいと願うのは誰しも同じ。そこで、ISO取得のキーワードを挙げることにします。

ひとつめは、「急ぐ(ISOぐ)」

仕事には必ず期限があります。ISO取得も仕事の一貫です。必ず、期限を定めなければなりません。いつまでに何をするのかを明確にし、取り組んでいかなくてはずるずると、先延ばしになりかねません。急いでするとミスや漏れが発生すると言うようなことは心配することはありません。それを発見し、改善していくためのISOシステムを構築するのですから。スピードの時代です。

ISOは「忙しい(ISOがしい)」

「忙しい(ISOがしい)」んです。

大企業ならISO取得の専任者を置くことが出来るかもしれませんが、中小企業ではなかなかそうも行きません。通常業務のかたわらでISO取得の時間をやりくりしなければならないのです。

つまり「忙しい」のです。

だからと言って、どちらもないがしろには出来ません。自然と残業が増える。しかし、好んで残業をする人は少ないです。出来るだけ残業をしないように、日々の仕事の効率を考え、早朝にISO取得会議を持つ会社もあります。

この2つの業務を併行して行う内に、仕事の効率が以前よりもよくなるケースが多いのです。「忙しい」からこそ生まれた副産物といえます。忙しいのもいいものです。

ISOを「愛そう(ISOう)」

「愛そう(ISOう)」です。

誰しも自分はかわいいものです。自分が作ったモノと人が作ったモノを比べると、愛着は当然、自分のモノにあるものですよね。同じように、自分が作った・携ったISOシステムはかわいいものです。

また、そのISOシステムを使っている会社に、そのISOシステムによって生まれてくる製品にも愛着が湧いてくるという相乗効果も生まれます。

ISOは「アイソ」とも呼ばれます。ISOを愛そう。これこそ、ISO取得の原点ではないでしょうか。ISOのキーワードは、やはり「イソ」「アイソ」なんですね。

「急ぐ」「忙しい」「愛そう」

是非ともこの3つのキーワードを社員に浸透させて、ISO取得へ向けて励んでもらいたいと思います。

ISOは大変だ!

ISOで「企業はこんなに生まれ変われる」という話です。

「ISOは大変だ」とよく言われます。会合や交流会で名刺交換の際に、ISOのロゴが入っていると「ISOを取っておられるんですか。大変でしょう?」と聞くことがあります。

肩書に「品質管理責任者」などと書かれてあるとなおさらです。ほとんどの皆さんが「ええ、大変です。」と笑って答えますが、「大変」の意味合いは様々あるのではないでしょうか?

「大変」とは文字通り「大きく変わる」と書きます。広辞苑等で意味をひもといてみると、「重大なこと。一大事」などが主な意味ですが、通常使われている「大変」の意味は果してこの通りでしょうか。

多くの場合使われている「大変」の意味は、「物事をする時に多くの量の処理をしなければならず、費やす時間が並大抵の時間ではなかった」り、「いざするにしても、多くの又はかなり困難な障害があり、克服や成果を出すのにかなりの努力を要する」などが多いのではないでしょうか。

これらの意味を考えてみると、ISO取得に際して使われる「大変」の意味は、先に述べた全ての意味を含んでいると考えられますよね。

ISOの視点から見る中期経営計画

皆さんの会社では「中期経営計画」があるでしょうか?中小企業の多くは中期経営計画が立てられていないのが実状です。

また、中期経営計画を立てている企業においても、その進捗管理や実施状況を見ると、ほとんど「机上の空論」になってしまっていることが多いようです。何故こんなことが起こってしまうのでしょうか?

結論からいうと「中小企業にこそ中期経営計画は必要」なのです。このことをISOの最重要要求事項ともいうべき「品質方針」の観点から述べてみましょう。

ISOで目標を決めよう!

ISOの品質方針は組織にとって顧客に対する考え方を表現する「MIND」や「魂」。割と「美辞麗句」なので具体的にどうすればいいのかがわかりにくいところがあります。

そこでこの品質方針を具体的な運動論に変換するのが各部門単位で作成する「品質目標」です。ISOシステムを運用していく上での大目的は品質方針を達成することです。したがってこの「品質目標」は各部門の責任の中で品質方針をいかに達成していくのかを基にして年度単位で設定します。

大切なのは全社員が「わかりやすいこと」、そして「参加意識が持てること」、更には「第3者評価がしやすいこと」がポイントです。運用していく上での基本的な考え方を示すもので、継続的かつ段階的に改善されなければなりません。ということは「全員参加」がキーワードです。ひとりひとりにしっかりとした目標を持たせ、定期的に進捗管理をしながら、更に改善していく。ここにISOの組織改善ツールとしての真骨頂があります。

タイトルとURLをコピーしました