ISO取得費用の裏話

ISO本音と建て前
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膨大なISO取得費用の裏話

ISO取得費用!数年前なら2,000万円!

建設業を例にあげれば、TQC導入が一大ブームだった昭和50年代、大手各社はTQCの世界的大賞であるデミング賞の獲得にしのぎを削っていました。

受賞すれば派手な新聞広告でPRして、盛大なパーティーを開催。自社の品質の良さを社会に対してアピールしていました。それがどれだけ営業力強化に結びついたのかはわかりませんが、他社がやれば自社がやらないのは恥ずかしい。

これが建設業界の体質です。このデミング賞で乗り遅れた大手建設会社は、次は何かと考えました。出てきた答えがISOだったのです。

次こそはトップで導入を!と着々と準備を進め、ISOが脚光を浴び始めた瞬間に「時、来たり」とばかりに認証取得に踏み切ります。

デミング賞の恨みをISOで返した格好です。そして大手にISOブームがやってきます。大手各社はそれこそ「猫も杓子もISO」。1年も経たないうちに大手各社ともが着手し、やがてISO認証取得。さすがに力があります。このISOブームが導入コストを吊り上げる最大の要因になったのです。

ISOと中小企業の視点

大手だからこそお金で時間が買えたんです。中小企業はそうはいきません。確かに企業規模や現状業務のヤリ方によって若干は異なりますし、ISOコンサルタントに指導を仰ぐか、自力で頑張るかによっても異なります。

仮にコンサルタントを利用したとしても200~300万円程度が現在の相場です。合同研修形式を利用すればさらに半額くらいにはできます。

ただし、これとは別に審査費用も100~200万円はかかります。コンサルタントなしなら社内人件費を除けば審査費用だけで済むことになりますが、時間という財産は失われるかもしれません。

ISOの維持コストが大変な理由

ISO導入で書類が増えたのだから人手も増やす。だからコストが増えて、維持するのが大変だということになります。TQCとISOの違いがこのあたりです。

デミング賞は取ってしまえばおしまい。ISOは認証取得してからが始まり。毎年の定期審査と3年に一度の更新審査が続いていくのです。

ISO認証取得の審査では管理レベルはどうあれ、マニュアル通りに運用されていればOK。その後、継続的改善を繰り返し、管理レベルが上がっていくように望まれます。そういう仕組みがISOなのです。

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