ISO的「不適合」「特別採用」「是正処置」

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ISO的「不適合製品」

ISOでの「不適合製品」の考え方。不適合製品とは一般的な言葉で言えば「不良品」。製造業や建設業などでは、不良品という表現で充分理解できるでしょうが、サービス業では理解しにくいかもしれません。説明をする前に、製造業や建設業等で不良品が出た場合はどうするでしょうか?

1.手直し・・・破損や汚れなど、そのまま製品として提供できない状態のものを直す事。
2.特別採用・・・不良の程度にもよるが特定の責任者や顧客がそのままで良いと判断した場合。
3.ランク付けの変更・・・いわゆるアウトレット品です。値段や格付けを下げて販売する事。
4.廃棄・・・処分する事。

主に、この4つの方法が不良品が発生した時の処理方法です。どの方法をとるか考え、とった処置を記録することが求められます。

では、サービス業では?サービス業でも書類などを顧客に提供する場合は、書類自体のミスは不適合と判断できます。訂正印による手直しや廃棄して再作成が主でしょう。但し、ランク付けの変更はありませんよね。

でも、クレームに近い場合は、値引き対応するケースがあります。これがランク付けの変更に相当します。サービス業にも不適合が発生するのです。最初に「製品」に関する定義をしっかりと検討し、「製品=サービス」と考えれば、理解しやすいのではないでしょうか。

ISO的「特別採用」

ISO規格の8.3不適合製品の管理の項で登場します。ポイントは、特別採用の処置の記録を残す必要があるということです。特別採用とは、本来ならば合格品ではないけれども、責任者や顧客の判断によって合格とすることです。

製造業では合格の基準にもよりますが、使用に問題がなければ合格にするケースが多いようです。通常は、検査で一旦はねられ、再検査の結果合格にします。

つまり社内での何らかの不適合に関する書面が発生し、そこに合格の印を押すというように「記録」は必ず残ります。

ISO的「是正処置」「予防処置」の定義

簡単に言えば、社内外に対してISO品質方針や目標にたいして適さない何らかの不都合を与えた場合に「不適合」が発生し、この不適合は原因から取り除かなければならないというものですが、大切な項なのでISO規格を引用しておきます。

「是正処置」とは

「組織は、再発防止のため、不適合の原因を除去する処置をとること。(中略)次の事項に関する要求事項を規定するために“文書化された手順”を確立すること。

a)不適合(顧客からの苦情を含む)の内容確認
b)不適合の原因の特定
c)不適合再発防止を確実にするための処置の必要性の評価
d)必要な処置の決定及び実施
e)とった処置の結果の記録
f)是正処置において実施した活動のレビュー
参考 f)における“是正処置において実施した活動”とは、a)~e)の一連の活動のことである。」

「予防処置」とは

「組織は、起こり得る不適合が発生することを防止するために、その原因を除去する処置を決めること。(中略)次の事項に関する要求事項を規定するために“文書化された手順”を確立すること。

a)起こり得る不適合及びその原因の特定
b)不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価
c)必要な処置の決定及び実施
d)とった処置の結果の記録
e)予防処置において実施した活動のレビュー
参考)e)における“予防処置において実施した活動の記録”とは、a)~d)の一連の活動のことである。」

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