ISO「品質方針」と「品質目標」

ISO9001&14001規格読替要領
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ISO品質方針とは

ISO規格の5.3項「品質方針」は以下の通りです。

トップマネジメントは、品質方針について次の事項を確認すること。

a)組織の目的に対して適切である。
b)要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの有効性の継続的な改善に対するコミットメントを含む。
c)品質目標の設定及びレビューの為の枠組みを与える。
d)組織全体に伝達され、理解される。
e)適切性の持続のためにレビューする。

簡単に解説しましょう。
ISOの「品質方針」は「文書化」しなければならないのです。次に「トップマネジメント」とは、「経営者・経営陣」の意味です。つまり、経営者が「品質方針を設定する」のです。その品質方針の定め方に関してのポイントが5.3項です。

この中でも「組織の目的に対して適切である」に特に注意を払ってください。「組織の目的」とは、企業が目指すべき方向性であり、ISOの観点から言えば「顧客満足」を得るために「製品・サービスの品質を維持すること」(維持するとは「最新の状態を保つ」という意味です)であるので、そのために「何をすべきか」が組織の目的になります。

ISOの品質方針が「貧失放心」?

ISO品質方針は、品質マネジメントシステムの屋台骨。企業における経営理念の品質版とでも考えればよいでしょう。これなくしてはISOシステムが意味をなさないといっても過言ではありません。

理想と現実のギャップを経営者がしっかりと認識し、達成可能なものにしないと(ISO品質方針の子分であるISO品質目標は「達成率が判定可能な…」と定められています)、社員は「どうせ無理だし」という気持ちで内容の乏しい(貧しい)仕事しかしなくなり、「失敗してもいいや(失敗して当たり前)」という気持ちになり、やる気をなくしボーっとした放心状態に陥ることもあります。

「方針」だから高ければよいというものではなく「組織全体に伝達され、理解されること」が重要なのです。ISO品質方針は何度でも変えられる、変えなければならないものです。

組織がレベルアップしていくに従ってレビュー(見直し)するものなのです。そこが、一度決めるとなかなか変えられない経営理念との大きな違いです。ともあれ、社員が「貧失放心」にならないように心掛けたいものです。

ISO品質目標の達成度

ISO規格の5.4.1品質目標にでてくる「品質目標は、その達成度が判定可能で、・・・」の達成度。では達成度とは何でしょうか?

達成度とは、目標に対する結果の割合と言うことができます。つまり、目標が明確にされていないと結果の割合が判定できないのです。もちろん、できる限り定量化、数値化した方がいいのですがサービス業などはなかなかしづらい。

そこで、管理方法としては、教育や研修であれば研修内容の達成度ではなく、計画通りやったかどうかも立派な達成度。

ちなみに目標達成度は「毎月実施が目標。現在毎月確実に実施されているので達成率100%です。」で通したそうです。自信を持って答えることは非常に大事です。自分の判断基準に自信を持ちましょう。

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