ISOと社長の罪

ISOと経営者
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ISOを他人に任せっきりの社長の罪

自社のISOシステム構築にもかかわらず、社長が「誰かに任せっきり」にしたことで起こることが多いようです。

まずはISOコンサルタント、文書作成までは面倒を見ますが、運用は頑張ってくださいという場合も多いらしく、ISO文書コピーもののサンプルをズラッと並べ、適当に選んではISOマニュアルを作っていく・・・。もちろん社長やISOリーダーたちに必要なヒアリングはしますが、実際の業務にあまり深く入っていかないのです。

答えは、「その方が楽だから」です。だからISO取得費用も割と安くつきます。そして、ISOマニュアルを完成させ、契約終了という感じです。

ISO運用する方はここからが苦労の始まりです。あれよあれよと出来上がったISOマニュアルには現場の温かみが感じられず、実務が反映されていないことが多いので、当然のごとく現場からの反発を招きます。これを一身に受ける責任者はたまりません。

最終的に、重大な責任感に押しつぶされ、ISO責任者を降ろしてくれなどということにもなりかねないのです。

ISOを社員に任せっきりの社長の罪

「ISO推進リーダーたちに任せておけばいい」という場合も苦労します。社長といえども営業マン。日々の営業活動に追われて、ISOに目が行かない。ISOコンサルタントも来てるし、ISOリーダーたちも遅くまで頑張っているようだし、チラッと見ると、それなりのISOマニュアルもできているようだしと任せっきり。

ISO責任者のSOSにも気付かず、「さあISOだ」と発破をかけてみたところで時既に遅しです。どうしてもISOが必要なら最初からやり直しということもあります。

開始から1ヶ月や2ヶ月ならまだしも、ISO導入までの1年もの期間は無駄になってしまうのです。もちろんどんなISOコンサルタントかということが大事ですが、割と安くてISOマニュアルまで作ってくれるとなると、どうしても選びたくなるのが人情なのでしょう。

他のISOを真似しすぎの罪

他社のISOマニュアルをまねしすぎるとどうなるか?

ISOマニュアル実例集が多く出されている昨今、そのISO実例集を写すように指導し、写し方を教えるだけのISOコンサルタントもいるとかいないとか。

仮にISOマニュアルが短期間で出来たとしても、下位文書つまり手順書や様式類などはどうするのでしょうか?ISO運用段階での指導責任はとれるのでしょうか?疑問が多いところです。

借り物はどこまでも借り物。結局は自分たちが必要以上に苦労することになるのです。

組織を固定化してしまう罪

例えば新規事業に邁進中で、数ヶ月先の組織の実態が予想しにくい時期にもかかわらず、ISO導入優先で組織を固定化してしまい、自分で自分の首をしめてしまうケースです。

経営者自らが自社の実態を知ることが最重要です。その上でISOコンサルタントを選ぶも良し、労力を惜しまず自力で導入するも良しです。

もし、ISOコンサルタントの指導を受けるなら、ISO導入費用については、その経営ツールとしての効果との比較で「導入する」「導入しない」の判断を行っていくべきでしょう。

とはいえISO取得費用は安いにこしたことはない。費用については、別章で可能な限り安く押える方法について触れることにします。

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