ISOは「営業ツール」
もはやISO認証取得自体が差別化にはなりませんよね。これからのISOは「より顧客志向を強めつづけること」が営業そのものと言っても過言ではありません。
何故なら、顧客満足度を高めるためのニーズの発掘やその対応そのものが次の仕事を生むことは間違いないからです。
ISOの考え方に忠実にシステムを構築していけば、社員ひとりひとりの意識変革はもとより、組織としての顧客対応力は確実に向上します。
そして顧客から顧客へと広がっていった例は多数見受けられます。さらにこのノウハウは蓄積されていきますから、異動や配置転換の際にも効率良く伝授されていくのです。
ISOで営業力強化
企業の生命線は「営業力強化」です。ISOは「広告・営業ツールである」とよく言われます。しかし、ISOを取得したからといって「営業ツールになっていない」と答える人も少なくありません。
数年前は、「ISOって何?」であり、最近でも「ISO取っているの。すごいね」で終わってしまいます。
当たり前の話ですが、ISOを取得しているから仕事が入ってくるわけではありません。それを勘違いしている方も多いのです。
ISOは会社としての信頼マークであるにすぎませんが、建設業の入札でISO取得が条件になっているということなど様々なところでひとつの条件になりつつあるのも事実です。
営業力強化のためのISOとは
どうすれば「営業力強化」につながるのでしょうか?
答えは、ISO取得を「営業ツール」として使うことではなく、出来上がったISOシステムが「営業力強化」につながるようにしなければならないということです。
特に「顧客ニーズの発掘」を確固としたISOシステムにし、顧客とのコミュニケーションを一味違ったものに仕上げなくてはなりません。
顧客との良い関係を築くことこそ、最大の営業力強化策となるのです。
「営業マンは商品を売る前に自分の人柄を売れ」
と言われます。昔も今も変わることなく、営業マンの基本であると思っています。但し、この点でISO取得が影響してきます。
ISOで仕入先との互恵関係から新ビジネスへ
供給者(仕入先)との互恵関係を強めることをが、新たなビジネスとしての展開を可能にすることに触れてみましょう。
自ら取得するということはISOで関連会社や取引先と新たな協力関係を築いていくことですし、自社の品質を維持し高めていくためには他社に「ISO教育」する必要が出てくるということなのです。
ある機械製造メーカーはいち早くISOの導入に取組み、当初は運用するだけで精一杯でしたが、システム改善を地道に行うなか、社員の品質に対する意識が革命的に向上し、それまでは数名の品質管理部門に任せっきりであった品質管理を全社員が現場レベルで積極的に実施するようになり、ミスやロスが大きく削減されたそうです。
ここまでならISO導入のよくある成功事例に過ぎませんが、この会社は違っていました。いち早く導入したこともあり、取得ブームに乗って、関連取引先からのISOに対する質問や問合せ、例えば本当にISOは必要なのかどうかといった内容のものが多く寄せられるようになりました。