ISO品質方針の文書化

ISO規格を読み替える魔法
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ISO品質方針の文書化

ISO規格要求事項で、始めに「品質方針」という言葉が出てくるのは4.2項「文書化に関する要求事項」の4.2.1項「一般」です。

・品質マネジメントシステムの文書には、次の事項を含めること。
a)文書化した品質方針及び品質目標の表明(以下省略)

次に、5項「経営者の責任」の5.1の「経営者のコミットメント」では、

・トップマネジメントは、品質マネジメントシステムの構築及び実施、並びにその有効性を継続的に改善することに対するコミットメントの証拠を次の事項によって示すこと。
b)品質方針を設定する。(他省略)

ISO方針を文書化する方法

ISO方針が書かれた紙を額に入れて各部門に飾る、掲示板に張る、各人にノート型、カード型にして持たせるなどで充分です。

「理解される」ということが難しいところでしょうが、簡単に理解されるようなISO品質方針を考えればよいのです。ISOの方針を簡潔にしたために誤解されそうなら、説明文をつければよいでしょう。

また、「目標」なるものがありますが、これはISOの方針に基づいて各部門、各階層に応じて設定され、達成度を求められているのでわかりやすいはずです。

ISO的「継続的改善」

ISOの重要項目である「継続的改善」。ISO規格要求事項では、「組織は、方針、目標、監査結果、データの分析、是正処置、予防処置及びマネジメントレビューを通じて、マネジメントシステムの有効性を継続的に改善すること。」とあります。

それぞれの改善方法を考えてみましょう。

ISOの方針や目標は年1回見直し、変更するか否かを評価すればよいでしょう。ISOマネジメントレビューのアウトプット(時期が違うならば臨時で行なう)として登録しておくと良いです。

ISO監査結果は、内部・外部問わずに不適合が発生すればすぐに是正処置を行う手順にしておけばよいです(多分なっているはず)。

是正処置、予防処置及びマネジメントレビューは、そのものが継続的改善手法であるため敢えて述べる必要はないでしょう。

問題は、データの分析。8.4項では、データの収集、分析を行なうだけで、活用方法は明記されていません。が、次の8.5.1継続的改善でちゃんと、データ分析をもとに改善する手順となっているのです。

顧客アンケートも同様に、分析だけでは無意味です。結果を基にどう実行に移すかを考えましょう。

ISO的「維持」の意味

漢字の持つ意味からはなかなかわかりにくいのが「維持」という言葉。「ある状態を一定に保つ」というふうにイメージしがちですよね。ISOではこの「維持」という表現が頻繁に登場します。ISOでいうところの「維持」とは「最新の状態を保つ」という解釈になります。

つまり、常に最新のISOシステムや文書、あるいはISO手順書で運用しなければならないということです。

例えちょっとした文書変更でも全員に周知徹底し、確実に最新のものが使える状態にしておく仕組みが大切なのです。

さらに付け加えれば、この変更になった時の伝達や回覧は立派な教育訓練であるという位置付けも大切な部分です。変更も一種の「改善」ですから、それらに関する徹底は教育であるということなのです。

ということはちょっとした伝達も教育訓練の記録として保管が必要ということにもなります。ご注意ください。

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