ISO審査Q&A:品質目標・文書・データ

ISO審査対応Q&A
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ISO審査Q&A:製品に対する品質目標

Q:7.1 製品実現計画の「a) 製品に対する品質目標」は5.4.1 品質目標の「そのISO品質目標には製品要求事項を満たすために必要なものがあれば含めること」とは異なるものでしょうか。

 

A:ISO規格5.4.1の原文は“including those needed to meet requirements for product [see 7.1a]]となっています。JIS Q 9001:2000の5.4.1の“7.1a)参照”の意味は原文のように読んでください。

7.1a)で規定されている品質目標は、5.4.1で規定している品質目標の内の一つで良いという事です。製品一つ一つに品質目標を設定していくことも出来ますが、文書化や達成度評価など運用困難となることが多いと思います。

ISO審査Q&A:計画の違い

Q:5.4.2 品質マネジメントシステムの計画、7.1 製品実現の計画、7.5.1製品及びサービス提供の管理はどう違うのでしょうか?

 

A:事例で説明します。
5.4.2は品質マニュアルはもちろんのこと品質保証体系図も該当します。7.1ではQC工程図や品質計画書などです。また、品質計画書は一品一様の製品だと、都度作成するほうが望ましいでしょう。

7.5.1は作業手順書や標準書などです。もちろんQC工程図も該当しますが、QC工程図の各々の工程を補完する手順書や判定基準書及び様式が該当します。段階的に考えてください。

ISO審査Q&A:プロセスの品質目標

Q:5.4.1 品質目標で、「それぞれの部門及び階層で品質目標が設定され...」とありますが、“プロセスの品質目標”は必要なのでしょうか?

 

A:ISO9000の3.2.5に品質目標の定義が書かれています。

3.2.5 品質目標
品質に関して、追求し、目指すもの
参考 1.品質目標は、通常、組織の品質方針に基づいている。
2.品質目標は、通常、組織内の関係する部門及び階層で規定される。

とあるように、“プロセスの品質目標”という考え方はISO9001では該当しないと考えられます。もちろんプロセスに達成目標を設定してもかまいませんが、規格の要求事項の適合を説明するのであれば、プロセスの品質目標という考え方はやめておいたほうがよいでしょう。

ISO審査Q&A:手順の文書化の要否

Q:ISO規格で要求されている6種類の「文書化された手順」以外に手順を文書化しない場合、審査時に何がポイントになるのでしょうか?

 

A:ISO審査の視点は、「組織は大掛かりな文書化の必要なくISO9001に適合していることを実証できるかもしれない」「組織はプロセス及び品質マネジメントシステムの有効性を実証する客観的証拠を提供しなければならない」です。

つまり審査員は、これらの客観的証拠を要求し、問題の有無をチェックすることになります。ISO規格では要求されていなくても文書化されていなければ、有効性の実証や証拠の提供が困難な場合がでてきます。ISO審査での回答も想定して、作成しておいたほうが良い文書もあります。

ISO審査Q&A:文書とデータの違い

Q:「文書」と「データ」の違いを具体的に説明してください。

 

A:「文書」とは、文字、数字、図形などを利用して、思想を書き表したものです。「データ」とは、何らかの基礎となる既知の事実、数値を言います。

「文書」に引用される独立した数表などは最も一般的な「データ」ですが、「データ」は数値だけとは限らず、場合によっては限度見本のような、物の状態(表面粗さや色など)を示すものも含まれます。

「データ」は、その機能から2つの種類の「データ」に区分して考える必要があります。
ひとつは仕事を行なうための基準となる「データ」です。もうひとつは仕事をした結果を表す「データ」です。

同じ「データ」(数値)でも「基準となるデータ(数値)」と「結果を表すデータ(数字)」とは大きな違いがありますのでご注意ください。

ISO審査Q&A:文書のレビュー

Q:サーベイランスで、4.2.3の文書のレビューをしたことが確認できないとの指摘を受けました。レビューの記録はISO要求事項ではないと思うのですが・・・。

 

A:確かに、文書のレビューの記録はISO規格要求事項ではないので、不適合としての指摘はできませんが、観察事項としてレビューの記録を促すことはあるようです。ISO審査員は、必ずしも記録を要求しているわけではありませんが、客観的証拠を求めます。その最も有用なものが記録です。

実際には、全ての文書をいつ、どのようにレビューしたかという記録は必要ではありません。しかし、明確にしなければならないという観点から、次の方法をお勧めしています。

先ず、内部監査の時期(前後)に文書のレビューを行うようにします。適切な内部監査が行われれば、いくつかの文書の改訂が発生します。その際に、最新版管理表等をレビューの記録にすれば、他もレビューしたという証拠に使えます。

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