ISO審査の基礎知識

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ISO審査の前に

ISOの審査では、ISO規格要求事項が満たされているかどうかを審査するわけですが、ISOを取得しようとしているのですから、通常業務である仕事の工程は多少の問題はあるにせよ、合格点は取れるものです。

ここでは、品質方針をはじめとして、いくつかのISO独自のポイント(と言っても本来必要な考え方ですが...)があります。その中でも、必須で、かつ運用のレベルが問われるポイントをいくつか説明します。

ISOは「審査?」それとも「監査?」

最近、ISO審査機関では審査員のことを監査員と呼ぶところがあります。一体どっちが正しいの?

英語では「assessor」が使われていましたが、今は「auditor」に統一されています。(会計)監査を英訳すると「audit」ですので、「auditor」を監査員と呼ぶのもわかる気がします。

でも、「審査=詳しく調べる」、「監査=監督し検査する」という意味で、審査のほうが厳しいイメージ?なので、外部を「審査」内部を「監査」と使い分けるのも1つの方法ではないかと思います。

ISOの「認証」と「認定」はどう違う?

企業がISOの「認証」を取得するためには、ISO審査機関から審査を受けなければなりません。この場合、ISO審査機関は審査するだけの能力があることを客観的に評価されて認められていると安心できます。ISO審査機関がいい加減では困りますよね。

そうしたISO審査機関を審査し、ここは大丈夫だとお墨付きを与えることを「認定」と呼んでいます。この「認定」は国家機関もしくはそれに準する関連機関が行います。日本ではJAB(日本適合性認定協会)と呼ばれる「認定機関」があり、ここが審査機関を審査してOKなら、ISO審査機関を「認定」するわけです。

ISO審査の2段階

ご存知のことと思いますが、ISO審査機関による審査(内部監査と区別するためにこう呼ぶことにします)は通常2段階に分かれます。まずはISOマニュアルを中心に審査する「第一段階審査」。これはISO規格要求事項を組織のシステムとして満たしているかどうかを審査することです。

第2段階はいわゆる「本審査」。ISO認証取得の合否を決める、最終の審査です。方針から運用、改善までの全てを審査されます。トータルで約2ヶ月の間が審査期間ということになります。

ISO審査といっても「より良いISOシステムに改善し、運用しやすくするため」のアドバイスだと考えた方がいいようです。確かにISO審査員によって多少の差はあるにせよ、不合格させるために審査している審査員はひとりもいないと確信しています。

ISO審査に便利な備品の準備

ISO審査では、現場に出かけることがあります。たとえば、建設会社では建設現場に行くので、ヘルメット、安全靴・長靴、手袋など、その他の業種まで考えると作業服・白衣・クリーン服、クリーンペーパーなど、従業員と同じように着用すべきものを用意しておく必要があります。

また、他の事業所や現場に移動する際に、車が必要になる場合があります。建設業では現場を見ることはほぼ必須なので、予め車(社有車又は自家用車で可)の心づもりもしておいた方が良いでしょう。

ですが、ISO審査員の送り迎えまで車を用意する必要はありません。ただし、交通が不便な場合は配慮が必要かもしれません。

更に、事務用品にも配慮してみてください。ISO審査に必要な事務用品は審査員が持ってくるはずなので不要ですが、付箋紙(ポストイットなど)、ペーパーパンチ、ホッチキス、ゼムクリップ、クリップボードなどは、用意しておくと重宝されることがあります。

ISO審査員への心遣い

1.お茶とおしぼり

ISO審査員はたくさんしゃべるので喉が渇きやすいもの。喉を潤すのもを用意しておくとありがたがられます。また、現場から戻ってくる時など、様子をみておしぼりを出せるようにしておくのがよいでしょう。

2.昼食

昼食の用意はどうするべきか?ホテルの手配はどうするのか?は予め審査員に打診しておいたほうがよいでしょう。審査機関によってはお決まりのホテルがあったりしますので。

昼食の用意が必要な場合は、ごく普通の弁当がよいと思います。決して豪華なものにはしないほうがよいでしょう。

ISO審査員には定年前後の高齢者の方(といっては失礼だが)が多く、健康管理に注意している人がいます。経営者や管理責任者はできるだけ一緒に昼食を取って、情報交換の場としてコミュニケーションを深め、午後の審査にスムーズに入っていくのがよいと思います。

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