ISOと組織風土

ISOと社員
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ISOと組織風土

ISOと組織風土の関係について少し触れておきます。風土とは「人間の精神や思想にとっての文化的環境」と訳されますが、組織風土とは「組織が持つ独自の風土」つまり「組織構成員の精神や思想がどのように組織の環境に反映しているか」と訳せるでしょう。

組織風土の構成要素は、

1.企業ドメイン
2.組織
3.企業文化
4.組織風土

の4つです。

ISOと組織風土:企業ドメイン

1つめの「ドメイン」は「領域」と訳されます。昨今はインターネット上の住所という意味などで良く使われますが、組織を構成するにあたっては、ドメインの考え方が最も重要となってきます。

つまり、企業としての方向性や考え方、戦略・戦術などがドメインです。ドメインがしっかりしていないと、「組織」は成り立ちません。

経営理念や社是・社訓で打ち出すのもよいですが、いずれも漠然としたものが多いため、明確な計画・目標として経営計画やプロジェクト計画などではっきりとしたものを打ち出すべきでしょう。

ISOと組織風土:組織

2つめの「組織」は「特定の目的を持った人の集まり」であり、ある製品やサービスを提供するために必要な人の集まりのことです。部署ごとを組織ということもあれば、企業全体を組織ということもあります。

中小企業においては、企業全体が組織という考え方で、組織としてのドメイン、つまり方向性や考え方を共通のものとして推進していく必要があります。

ISOと組織風土:企業文化

3つめの「企業文化」は「組織風土」と同じ使い方をされることが多いです。企業と組織の考え方の違いです。

企業としての文化―ここで言う文化とは「環境・風土」の意味で、特に人にまつわる環境・風土を企業文化と言います。

「企業」ですから、会社全体の文化であり「社風」と表現されることも多いです。この「社風」で頭を悩ます経営者がことのほか多いようです。

「保守的」「排他的」「決め事が自然崩壊してしまう」「風通しが悪い」など、例を挙げればキリがありません。その反面「自由な社風」「活き活きとした社風」など、良い例が存在するのも事実です。

ISOと組織風土:組織風土

最後に「組織風土」です。企業をもう少し小分けしたものが組織ですが、企業文化を考えた際に組織毎の対策が必要になる場合が多くなります。

では、組織風土の改善に向けて、どういう対策を講じればよいのでしょうか。組織風土は以下の5つの要素で形成されていると言われます。

・同一の危機感
・共通の価値観
・自信と信頼
・感謝の気持ち
・高い欲求水準

これら5つの要素について、具体的な内容は改めてご紹介します。

目的のないISOの失敗

あるところでは業務は業務、ISOはISOとはっきりと縦分けをして、審査の前になると、この「ISOチーム」とやらがせっせと審査用の文書や記録をこしらえる。

こんな実態からかけ離れたISOシステムが会社を良くするはずもありません。しかし、現実はこれに近いものがあるのも事実なのです。

目的を持って取り組むこと。そしてその目的を社員が理解すること。ISOの導入にはこの目的がないとまず失敗するでしょう。

何故ならISOは品質方針を組織や個人の目標に転換し、それを達成する仕組みをつくることだからです。

目的を失ったISO

目標がないということは、ISOを経営ツールとして活用しきれていないことです。

経営ツールとして、これまでの目標管理と融合させ、全員参加で自社に必要な、また業務に即したISOシステムを自分たちで考えながら構築していけば、苦労はともなうでしょうが、皆が運用しやすく、ISOの目的や目標を見失わないものが出来上がるはずです。

この点を強調しておきたいと思います。また、ISO取得における効率化は「合同取得」という方法でかなり促進できることを付け加えておきます。

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