ISOでクレーム防止

ISOで経営課題解決
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ISOは「クレーム防止ツール」

「クレームは信頼関係を得るチャンス」といわれます。クレームや苦情は無いにこした事はありませんが、やはり発生してしまうものです。

ここで大事なことは、クレーム・苦情が「何故起こったのか」という原因分析にあります。この原因分析が間違っているとクレームが大きくなってしまうこともあります。

「クレームによって信頼関係を得る」ことになるのは、同じクレームや苦情が発生しないことが大前提です。自分は初めてでも、他の社員がやったことがあると「また」となるのです。

他人のミスをも自分の経験にできるISOの「是正処置・予防処置」の考え方は、組織としての信頼を得る絶好のツールとなり得ます。

ISOで不良品の低減

いつまでたっても減らないのが、不良品と苦情の山だったりします。ISO規格では「不良品」を「不適合品」と呼んだりしますが、製造業では「不良品」の方がなじみやすいでしょう。

ところがサービス業では、不良品という言葉はあまり理解できないと言うことをよく耳にします。サービス業で言う「不良品」とは、

・工程上の手順の間違い
・書類の記入ミス

などでしょうか。「製品」には「サービス」が含まれていると定義されています。「製品」だから「不適合品」であり、「サービス」で言うなら「不適合サービス」や「不適合プロセス」と言ったほうがよいでしょう。

顧客に提供するサービスが本来のレベル以下のサービスであったり、自分勝手に進めた手順(プロセス)で漏れがあるサービスを提供したりと、システムが意図している目標と違った結果が出た場合に「不適合(品)」となるのです。

ISOで不適合の原因追求

不適合品になる原因は一体何なのでしょうか。一概に不適合品といっても、その原因は様々です。つまり、原因を的確に分析し、原因を排除するための施策を実施しなければ、いつまでたっても不適合品は減らないことになります。

そこで問題になるのは、

・単なるその場限りの手直しで済ませていないか。
・不適合品が発生しても仕方がないという意識が社内に蔓延していないか。

ということです。

ISO流の不適合品の処理

ISOの規格要求事項をみてみましょう。

ISOでは「不適合品」が発生した場合の処理方法が数種類あります。

・手直し
・特別採用
・ランク付けの変更(A級品をB級品にランクダウンして販売する)
・廃棄

不適合品が出た場合、これらの処置を実施して、世に送り出す事は決して悪いことではありません。この考え方は、先の「不適合品」の考え方でも述べたように、モノを扱う業種は理解できるでしょうが、サービス業では理解しがたいのです。

「手直し」はわかるとしても、「特別採用」「ランク付けの変更」「廃棄」という考え方は存在しないことが多いのです。

ISOを最大に活かす「クレーム処理」

「不足している状態」を満たそうとする欲求がニーズだとしたら、「今、何が不足しているか」を見つめるところから顧客ニーズの発見が始まります。

言い換えれば、企業の弱みを突き詰めていけばそのニーズにぶつかるということです。

しかしながら、自分の弱みを見せたがる企業なんてそうそうあるはずもないでしょう。いかにして顧客のニーズをつかむのか。企業の永遠のテーマではないでしょうか。

大阪のある中小企業では各課の中で小単位のチームをつくり、社員が顧客のクレーム対応をした事に奨励金を出し、これらを原資としてチームごとに賞与に反映させるという制度をつくっています。

この制度により社員が積極的にクレーム対応をするようになり、上司への報告が迅速に行われるようになった事で顧客との信頼関係が深まり、評価も上がっているそうです。

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